地元紹介

このお店の名前を見て「おっ、登山グッズのお店かな？」と思った方は、かなりの山男、山ガールです。実際に、登山グッズ店と間違えて入って来る方も多いとか。

そう、店名にもなっているジャンダルム(Gendarme) とは、飛騨山脈（北アルプス）穂高連峰・奥穂高岳の西南西にあるドーム型の岩稜のことで、標高は3,163 m。

本来はフランス語で武装警察官や国家憲兵というお堅い意味で、転じて山岳用語としては、尾根上の通行の邪魔をする巨岩を言うそうです。

お店の中にもその巨岩の写真がいくつも飾られています。

当然のことながら、店主の高橋さんはジャンダルムに何度もチャレンジしておられると思いきや、「実はまだ一度も登ったことがないんです。。。」とのこと。

あれ？ではどうしてお店の名前に？

そうです！高橋さんが作るそびえ立つかき氷の姿が、まさにジャンダルムに似ているからなんですね。

その勇姿は、文字通り、氷峰ジャンダルム！

開店は平成30年4月。

それまで高橋さんはご夫婦で世田谷の奥沢で、夏はかき氷、冬はたい焼きを扱うお店をやっておられたそうです。

あれ？ではどうして青葉台に？

「実は、田園都市線はかき氷マニアの間で別名“かき氷ライン”と呼ばれるほど、沿線にはかき氷のお店か多いんです。三茶、桜新町、用賀、溝の口、鷺沼等々。なので、その終着駅を目指して青葉台に開業しました（笑）」

「その甲斐あってか（笑）、夏場の待ち時間は2〜3時間が当たり前で、冬場でもお待ち頂くことがしばしばあります」

と、高橋さんは、背後の刃のようなジャンダルムのスチール写真とは対照的に、優しい笑顔でお応えになりました。

「でも、ご安心を。予定時刻付きの予約表と札番号をご用意しているので、お時間がある方は、オシャレな青葉台の街並みを散策して頂き、予定時刻までに番号札を持ってお戻り頂ければ、その時間までずっと並んで頂く必要はありませんので」

営業時間は午後のみの1:00〜6:30（LO6:00）（土日祝は5:30（LO5:00））まで。

その理由は、シロップから練乳まで全て手作りのため、仕込みには午前中いっぱいかかってしまうからだそうです。

さらに主役の氷には、ジャンダルムさん独自のこだわりがあります。

なんと、「氷を温めます」とのこと。えっ、どういうこと！？

「家庭の冷蔵庫の温度は通常マイナス18度ですが、当店はマイナス4度程で温めています。これは、冷たい氷は割れやすく薄く削りにくいため食感に滑らかさが出なくて、お客様の頭がキーンと痛くなることを防ぐためです」

「また、普通48時間かけて凍らせるところ、72時間かけて凍らせます。この過程で原料物に含まれている不純物はほとんど除去され、透明で硬く純度の高い美味しい氷ができるんです。溶けにくく口当たりの良い食感になるんですよ」

なるほど！これぞお客様ファースト！

なんと、お客様の3分の1はかき氷を2杯召し上がるそうですが、それだけ食べやすいという理由がよく分かりますね。

そんなお店のイチオシは「青き魔法のかき氷」。

ブルーの色が出るバタフライピー（ハーブ）をベースシロップに使ったかき氷です。

氷の中には、シャンマスカット、柿、いちご、キウイ、パイナップル等色とりどりの生カットフルーツが入っていて、ファンからは「宝石箱」「宝探し」との賞賛の声がしきり！

かき氷の常識を超えたまさにスイーツ感覚で、食べているうちに色も味も変わってくるのも魅力の一つです。

季節の旬のフルーツを使用したフルーツソースとカットフルーツを入れたかき氷が売り。
冬季には「あたたかいおしるこ」を楽しみにしている方も多いとか。

「うちで出すお茶はカフェイン抜きで脂肪や糖に優しいので、冷たくて甘いかき氷にはよく合うんですよ」

最後に頂戴した温かいお茶をすすりながら、「宝探し」を終えた満足感についつい浸ってしまいました。

■取材・執筆：スタッフ（2019年11月）

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